視点を変えて心を軽く。『困った』の中に小さな『よかった』を見つける練習
日常の「困った」に心が疲れていませんか?
毎日、育児や家事、仕事にと忙しい日々を送る中で、思い通りにいかないことや予期せぬ「困った」に直面することは少なくないかと思います。
例えば、 * 楽しみにしていた予定が急になくなってしまった * 子供がなかなか言うことを聞いてくれず、家事が滞ってしまった * 頑張ったのに、思うような結果にならなかった * 通勤中に電車が遅延してしまった
このような小さな「困った」が積み重なると、ため息が増えたり、気分が落ち込んだりして、心が重くなってしまうこともあるかもしれません。
でも、もし同じ出来事でも、少しだけ見方を変えることができたら、どうでしょうか? 「困った」と思っていた出来事の中に、意外な「よかった」や、新しい気づきが見つかるかもしれません。これは、ポジティブ思考を育むための大切な練習の一つです。
なぜ「見方を変える」練習が大切なのでしょうか
私たちは、良くも悪くも、出来事を自分のフィルターを通して見ています。特に疲れている時や心の余裕がない時は、ネガティブな側面に目が行きやすくなります。
しかし、一つの出来事には、必ず複数の側面があります。見方を変える練習は、その出来事の別の側面に光を当てることです。これは、問題そのものを変えるわけではありませんが、それに対する自分の感じ方や捉え方を変えることができます。
これにより、必要以上に落ち込んだり、不安になったりすることを減らし、心の負担を軽くすることに繋がります。また、新しい解決策や、次に活かせる学びを見つけるきっかけにもなります。
これは特別な才能ではなく、誰にでもできる「練習」によって身につけられる考え方です。
『困った』の中に小さな『よかった』を見つける具体的な練習方法
それでは、日々の「困った」出来事に対して、どのように見方を変える練習をすれば良いのでしょうか。いくつか具体的なステップとヒントをご紹介します。
ステップ1:まずは出来事を客観的に受け止める
「困ったな」と感じた時、まずはその感情に気づきましょう。「あ、今、私はこの状況を困ったと感じているんだな」と、自分の感情を認識するだけでも構いません。
大切なのは、その感情に飲み込まれて、必要以上に自分を責めたり、状況を悲観したりしないことです。深呼吸を一つして、少し落ち着いてみましょう。
ステップ2:別の側面を探してみる
次に、その「困った」出来事について、少し立ち止まって考えてみましょう。
- この状況で、何か学べることはないだろうか?
- 例えば、電車に乗り遅れた経験から、「今後はもう少し早めに出よう」と時間管理の学びを得る。
- うまくいかなかった家事から、「次はやり方を変えてみよう」と改善のヒントを得る。
- この状況だからこそ、できたことはないだろうか?
- 急に予定がキャンセルになったおかげで、読みたかった本を読む時間ができた。
- 子供とのやり取りで忍耐力が必要になった状況から、自分の新しい一面に気づいた。
- これは、最悪の状況なのだろうか? もしかしたら、もっと大変なことにならずに済んだのかもしれない?
- 軽い風邪で予定をキャンセルしたが、「重症化する前に休めてよかった」と考える。
- 小さな失敗だったからこそ、「大きな失敗をする前に気づけてよかった」と捉える。
- 少し先の未来から、この出来事を見てみよう
- 今日の「困った」は、一週間後、一ヵ月後も同じように重大に感じているだろうか? 時間が経てば、たいしたことではなかったと思えることも多いものです。
このように、「困った」出来事の裏側にある、学びや、その状況だからこそ生まれた良い点、あるいは最悪の事態を避けられた可能性などを探してみるのです。
初めは難しく感じるかもしれませんが、「必ず何かポジティブな面があるはずだ」と決めつける必要はありません。「もしかしたら、こんな見方もできるかな?」くらいの軽い気持ちで試してみてください。
ステップ3:見つけた「よかった」を心の中で認める
小さなことでも構いません。見つけた「別の側面」や「よかった点」を、心の中で「これはこれでよかったな」と認めてあげましょう。
「電車に乗り遅れたけど、おかげでゆっくりコーヒーを飲めた。これはこれでラッキーだったな」 「子供が言うことを聞かなくて大変だったけど、あの時、根気強く向き合えた自分もいるな」
このように、見方を変えて見つけたポジティブな側面を自分で認め、受け入れることで、心の状態が少しずつ変わっていきます。
日常で実践するヒント
この見方を変える練習は、日常生活のちょっとした隙間時間に行うことができます。
- 家事の合間に: 洗濯物を干しながら、今日の「困った」を一つ思い出し、「何か別の見方はできないかな?」と考えてみる。
- 通勤・移動中に: 電車やバスの中で、ぼーっとする時間に今日の出来事を振り返ってみる。
- 寝る前に: 今日あった出来事の中から、「困った」と感じたことを一つ選び、別の側面を探してみる。
完璧にこなそうと思わず、一つでも二つでも構いません。意識して練習することで、自然と「別の見方を探す」習慣が身についていきます。
焦らず、あなたのペースで
「困った」状況で、すぐにポジティブな側面を見つけるのは難しいかもしれません。特に大きな問題や、感情的に辛い状況では、まずはその感情を十分に感じて、自分を労わることが大切です。
この「見方を変える練習」は、あくまで心が少し疲れてしまった時に、自分で自分の心を軽くするためのツールの一つです。自分を追い詰めるために行うものではありません。
焦らず、ご自身のペースで、できることから少しずつ取り入れてみてください。日常の小さな「困った」から練習を始め、「こんな見方もできるんだな」という発見を積み重ねていくうちに、自然と心のあり方が変わっていくのを感じられるはずです。
まとめ
日々の生活には、思い通りにいかないことや「困った」と感じる出来事がつきものです。しかし、その出来事そのものを変えられなくても、それに対する「見方」を変えることで、心の負担を軽くすることができます。
この記事では、「困った」出来事の中に、学びや新しい気づき、あるいは思わぬ「よかった」を見つけるための具体的な練習方法をご紹介しました。
- 出来事を客観的に受け止める
- 別の側面を探してみる(学び、良い点、避けられたことなど)
- 見つけた「よかった」を心の中で認める
この練習を、忙しい日常のちょっとした時間に取り入れてみてください。完璧を目指す必要はありません。一つでも二つでも、違う見方ができた時に、自分を褒めてあげましょう。
この小さな習慣が、あなたの心を少しずつ軽くし、日々の生活を前向きに過ごすための力になることを願っています。